ねずみとトムキャットの物語 2


森で暮らすねずみともぐらは、ネコのトムキャットと共に、街の夜会に行くことになりました。


ねずみは、大きな樹のおうちに暮らしていました。


大きな樹にちいさなドアがあり、樹の中にねずみのおうちがありました。

ちいさなキッチンでお料理をして、ちいさなベッドでねむっていました。


樹のおうちの裏には、畑があり、野菜を育てていました。


もぐらは、ねずみの畑を荒らさないよう、ねずみの樹のおうちの前に穴を掘って暮らしていました。


時々、森のりすたちがやってきて、穫れたての野菜、木の実やきのこを置いていきました。


コンコン。


ねずみがドアをあけると、タキシードを着たもぐらが帽子をとって挨拶しました。


『したくは、できたか。』


もぐらは、ステッキをトントンして、ねずみのおうちに入ると、ねずみのしたくを手伝いはじめました。


ねずみは、蝶タイがうまく結べず、鏡の前で何度もやりなおしをしていたのでした。


ねずみは、もぐらに蝶タイを結んでもらうと、満足そうにジャケットを羽織り、シルクハットを被りました。


もぐらは、カンカン帽を被ると、鏡を見て髭を整えました。



ねずみともぐらは、樹のおうちから森の小道へ出発しました。


しばらく待っていると、トムキャットの馬車がやってきました。


トムキャットもタキシード姿で、ねずみともぐらを迎えると、二人はトムキャットの立派な馬車へ乗り込みました。


『ぼくちゃんたち、大丈夫かな。夜会は初めてなんだ。』


もぐらが不安そうに呟くと、トムキャットはにこやかにこたえました。


『心配することはない。美味しいものをたくさん食べて帰ろう。』


トムキャットの馬車は、森から町へぬけていきました。



~ つづく ~



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