ねずみとトムキャットの物語 1


ある森にねずみがいました。


ねずみは、ちいさなチョッキとズボンを着て、ちいさな靴を履いています。


森の中で、もぐらが土の中から、顔を出しました。

もぐらはねずみへ話しかけると、追いかけっこをはじめました。


もぐらが土の中へもぐり、違う穴から飛び出すと、ねずみも土の中へもぐり、穴から外へ飛び出しました。


二人は、穴の中へ入り、また別の穴から出て、ぐるぐると土の中と外を周って、遊んでいました。



すると、トムキャットがやってきました。


トムキャットは、ネコにしては大きく、二本足で立ち、洋服を身につけています。

鬣のような大きな髭で、白いネコでした。



トムキャットは、云いました。


『夜会がある。今度、街に行ける。』


『夜会?ぼくは、初めてだけど・・・ぼくはちいさいから行けないよ。』


ねずみは、不安そうに云いました。


もぐらも土の中から顔を出して、うなずくと、


『おいらもちいさくて、きたないから行けないや』


と云うのでした。


トムキャットは、大きな手を広げて云いました。


『心配することはない。みんなで一緒にいけばいい。』


トムキャットは、約束をして帰りました。



~ つづく ~



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